世田谷のライトトレインに乗って、築270年の代官屋敷を見学 【重要文化財・大場家住宅】
アクセス詳細情報
最寄りの駅から徒歩
駐車場
見学のしかた(開館時間など)
建物の説明
自宅から電車を乗り継いで、1時間強。
東京、世田谷の街中に、築270年になる代官屋敷がある。
最近、長期間続いていた補修工事が終わり、一般公開が再開されたというのを知って、今回出かけてみた。
代官屋敷に行くには、東急世田谷線を使う。
この路線は、他の東急の路線と違い、いわゆるライトトレインである。
"ライトトレイン" とは?、その乗り方は?
については後に詳述してあるので、ここではスルーして。
世田谷線 上町(かみまち)駅を降りて、徒歩4分。
代官屋敷の前にやって来た。
3
重要文化財に指定されている、表門である。地図・青1
左右対称でないのが珍しい。
増改築を受けたのだろうか。
5
門のそばにあった案内看板。
(画像をクリックすると、高画質画像が表示される)
7
門からの出入りは、できないようだ。
代官屋敷は、世田谷区立郷土資料館の敷地内にある。
門のすぐ左側、資料館入口から敷地内に入った。
敷地内に入ると、すぐ目の前に、意外と大きな茅葺きの屋敷が現れた。
幅は約17m。江戸時代の武家屋敷としては、実はそれほど大きいサイズではないはずだが。
敷地が狭いせいか、この時は大きく見えた。
12
表門を、裏側から振り返る。
14
植栽の間から玄関へ向かった。
式台(しきだい)玄関だ。
身分の高い人を迎えるための、格式の高い玄関の形式である。
地面から建物の床まで高さがあり、その間に踏み台のような"式台"が設置されている。
この玄関は、領主やそれに近いエリート官僚武士を迎えるためのもので、普段は使われなかったはずだ。
そして現在でも、見学者はここから上がることはできない。
見学者が通っていいのは、当時の家の者が使用していた、土間に通じる出入り口である。
別に、世田谷区が見学者に対して上から目線、というわけではない。
日本各地に残っている江戸時代以前の屋敷の式台玄関は、文化財保護のため、どこもかしこも通行できないのが普通だ。
土間。"だいどころ"と呼ばれた。
19
20
21
土間の上。天井はなく、屋根までかなり高い。
23
だいどころから、板の間。普通の家なら、ここが家族の生活の場であったろう。
しかし、板の間には槍が飾られている。
そして、式台玄関が板の間に面している。つまり板の間は、それなりに格式の高い部屋だった、ということになる。
そんな部屋で、家族は寝食していたのだろうか。
板の間の向こうには、畳敷きの、代官としての執務室や、客人を迎えるための格式の高い部屋が連なっている。
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ちなみに、見学者は屋敷の部屋に上がることはできない。
これも、文化財保護という観点から言えばやむを得ないのだろうが、ちょっと残念だ。
部屋に上がれないので見ることはできなかったが、屋敷の最奥部には、「切腹の間」という、なんとも物騒な名で呼ばれたとされる部屋がある。
これは、実際にそこで切腹が行われた、ということではなく、いざとなれば、そこでいつでも切腹する覚悟で執務に当たった、ということらしい。
土間には、入ってきた北側の出入り口の他に、南側にもう一つの出入り口があったので、そこから外に出た。
29
30 31 32 33 34
武家屋敷に染み付いた歴史の重みと、古い建物の暖かみに触れて、ゆったりした午後の時間を、過ごすことができた。
【最寄りの駅から徒歩】
東急世田谷線 上町(かみまち)駅から、徒歩約4分。
世田谷線は他の東急の路線と違い、いわゆる "ライトレール" である。
乗り降りのしかたが、普通の鉄道とは異なる。
どちらかと言えば、路面電車や路線バスに近い。
乗車は終点の駅以外では、一番前か一番後ろのドアから。
駅のホームに、大きく「入口」と書かれているので、その位置から乗車する。
きっぷはなく、終点以外の駅には改札機や券売機もない。
電車に乗車したらまず、先に現金で150円(世田谷線全線共通)を、運転席の横にある運賃箱に入れるか、全国共通交通系ICカードをリーダーにタッチ。
降車は、乗車口以外のどのドアから出てもOKだ。
駅から出るときには、ICカードのタッチは不要。
終点の駅では、ホームに入るときに自動改札機に現金を入れるか、カードリーダーにICカードをタッチする。
東急電鉄の公式サイトを散々探したのだが、世田谷線の乗り方を詳細解説しているページは見つけられなかった。
ICカードでの乗り方は、こちらに記載されている。
【駐車場】
代官屋敷、または郷土資料館付属の見学者用駐車場はない。
半径200m以内に複数の時間貸駐車場がある。
NAVITIME 駐車場検索ページで、「世田谷代官屋敷」と検索。
【見学情報】
大場家住宅は財団法人が管理しており、外観と室内の一部が一般公開されている。
開館時間、休館日などは、隣接する世田谷区立郷土資料館とリンクしている。
最新情報は、世田谷区立郷土資料館HPを参照。
工事や運営上の臨時休館日がある。
大場家住宅の公式HPは設置されていないので、
訪れる前に世田谷区立郷土資料館に問い合わせるのがオススメである。
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2020.11時点
開館時間
9:00〜17:00(最終入館は16:30)
入館料
無料
休館日
月曜日
祝日(文化の日と勤労感謝の日は開館)
年末年始(12/29〜1/3)
その他、臨時の工事日など
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【建物の説明】
江戸時代初期の1633年、彦根藩(現在の滋賀県の一部)は、藩主井伊家の江戸屋敷で必要となる食料その他の調達のため、幕府から世田谷に領地を与えられた。
大場家は、その際に世田谷領代官に任命され、それ以降明治維新まで、世襲で代官を務めた家柄である。
現在も残る主屋は1737年に建てられたもので、一見すると農家風の茅(かや)葺き古民家だが、北側の式台玄関は幅2間もある立派なものであり、屋敷内には役所の間、切腹の間と名付けられた代官ならではの部屋がある。
大場家住宅は、近世中期の代表的上層民家としてかつての姿をよく残している貴重な建造物であり、昭和53年(1978年)、主屋と表門が、国の重要文化財に指定された。
大場家、大官職、建物についての詳細は、世田谷区公式サイトに掲載されている。
文化財分布マップ
(全国の国宝、重要文化財建造物の詳細位置をプロット)
このページは、
世田谷区立郷土資料館 公式サイト
文化庁国指定文化財等データベース
現地配布パンフレット
現地案内看板
などを参照している。
最寄りの駅から徒歩
駐車場
見学のしかた(開館時間など)
建物の説明
自宅から電車を乗り継いで、1時間強。
東京、世田谷の街中に、築270年になる代官屋敷がある。
最近、長期間続いていた補修工事が終わり、一般公開が再開されたというのを知って、今回出かけてみた。
代官屋敷に行くには、東急世田谷線を使う。
この路線は、他の東急の路線と違い、いわゆるライトトレインである。
"ライトトレイン" とは?、その乗り方は?
については後に詳述してあるので、ここではスルーして。
世田谷線 上町(かみまち)駅を降りて、徒歩4分。
代官屋敷の前にやって来た。
3
重要文化財に指定されている、表門である。地図・青1
左右対称でないのが珍しい。
増改築を受けたのだろうか。
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門のそばにあった案内看板。
(画像をクリックすると、高画質画像が表示される)
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門からの出入りは、できないようだ。
代官屋敷は、世田谷区立郷土資料館の敷地内にある。
門のすぐ左側、資料館入口から敷地内に入った。
敷地内に入ると、すぐ目の前に、意外と大きな茅葺きの屋敷が現れた。
幅は約17m。江戸時代の武家屋敷としては、実はそれほど大きいサイズではないはずだが。
敷地が狭いせいか、この時は大きく見えた。
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表門を、裏側から振り返る。
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植栽の間から玄関へ向かった。
式台(しきだい)玄関だ。
身分の高い人を迎えるための、格式の高い玄関の形式である。
地面から建物の床まで高さがあり、その間に踏み台のような"式台"が設置されている。
この玄関は、領主やそれに近いエリート官僚武士を迎えるためのもので、普段は使われなかったはずだ。
そして現在でも、見学者はここから上がることはできない。
見学者が通っていいのは、当時の家の者が使用していた、土間に通じる出入り口である。
別に、世田谷区が見学者に対して上から目線、というわけではない。
日本各地に残っている江戸時代以前の屋敷の式台玄関は、文化財保護のため、どこもかしこも通行できないのが普通だ。
土間。"だいどころ"と呼ばれた。
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土間の上。天井はなく、屋根までかなり高い。
23
だいどころから、板の間。普通の家なら、ここが家族の生活の場であったろう。
しかし、板の間には槍が飾られている。
そして、式台玄関が板の間に面している。つまり板の間は、それなりに格式の高い部屋だった、ということになる。
そんな部屋で、家族は寝食していたのだろうか。
板の間の向こうには、畳敷きの、代官としての執務室や、客人を迎えるための格式の高い部屋が連なっている。
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ちなみに、見学者は屋敷の部屋に上がることはできない。
これも、文化財保護という観点から言えばやむを得ないのだろうが、ちょっと残念だ。
部屋に上がれないので見ることはできなかったが、屋敷の最奥部には、「切腹の間」という、なんとも物騒な名で呼ばれたとされる部屋がある。
これは、実際にそこで切腹が行われた、ということではなく、いざとなれば、そこでいつでも切腹する覚悟で執務に当たった、ということらしい。
土間には、入ってきた北側の出入り口の他に、南側にもう一つの出入り口があったので、そこから外に出た。
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30 31 32 33 34
武家屋敷に染み付いた歴史の重みと、古い建物の暖かみに触れて、ゆったりした午後の時間を、過ごすことができた。
大場家住宅は、青マーカー3
【最寄りの駅から徒歩】
東急世田谷線 上町(かみまち)駅から、徒歩約4分。
世田谷線は他の東急の路線と違い、いわゆる "ライトレール" である。
乗り降りのしかたが、普通の鉄道とは異なる。
どちらかと言えば、路面電車や路線バスに近い。
乗車は終点の駅以外では、一番前か一番後ろのドアから。
駅のホームに、大きく「入口」と書かれているので、その位置から乗車する。
きっぷはなく、終点以外の駅には改札機や券売機もない。
電車に乗車したらまず、先に現金で150円(世田谷線全線共通)を、運転席の横にある運賃箱に入れるか、全国共通交通系ICカードをリーダーにタッチ。
降車は、乗車口以外のどのドアから出てもOKだ。
駅から出るときには、ICカードのタッチは不要。
終点の駅では、ホームに入るときに自動改札機に現金を入れるか、カードリーダーにICカードをタッチする。
東急電鉄の公式サイトを散々探したのだが、世田谷線の乗り方を詳細解説しているページは見つけられなかった。
ICカードでの乗り方は、こちらに記載されている。
【駐車場】
代官屋敷、または郷土資料館付属の見学者用駐車場はない。
半径200m以内に複数の時間貸駐車場がある。
NAVITIME 駐車場検索ページで、「世田谷代官屋敷」と検索。
【見学情報】
大場家住宅は財団法人が管理しており、外観と室内の一部が一般公開されている。
開館時間、休館日などは、隣接する世田谷区立郷土資料館とリンクしている。
最新情報は、世田谷区立郷土資料館HPを参照。
工事や運営上の臨時休館日がある。
大場家住宅の公式HPは設置されていないので、
訪れる前に世田谷区立郷土資料館に問い合わせるのがオススメである。
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2020.11時点
開館時間
9:00〜17:00(最終入館は16:30)
入館料
無料
休館日
月曜日
祝日(文化の日と勤労感謝の日は開館)
年末年始(12/29〜1/3)
その他、臨時の工事日など
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【建物の説明】
江戸時代初期の1633年、彦根藩(現在の滋賀県の一部)は、藩主井伊家の江戸屋敷で必要となる食料その他の調達のため、幕府から世田谷に領地を与えられた。
大場家は、その際に世田谷領代官に任命され、それ以降明治維新まで、世襲で代官を務めた家柄である。
現在も残る主屋は1737年に建てられたもので、一見すると農家風の茅(かや)葺き古民家だが、北側の式台玄関は幅2間もある立派なものであり、屋敷内には役所の間、切腹の間と名付けられた代官ならではの部屋がある。
大場家住宅は、近世中期の代表的上層民家としてかつての姿をよく残している貴重な建造物であり、昭和53年(1978年)、主屋と表門が、国の重要文化財に指定された。
大場家、大官職、建物についての詳細は、世田谷区公式サイトに掲載されている。
文化財分布マップ
(全国の国宝、重要文化財建造物の詳細位置をプロット)
このページは、
世田谷区立郷土資料館 公式サイト
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現地案内看板
などを参照している。
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